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サン電子工業株式会社

代表取締役社長 磯垣匡樹 氏
代表取締役社長
礒垣 匡樹

島根から世界へ。電子部品メーカー、サン電子工業の挑戦

1958年に大阪で創業し、電子部品の開発から販売までを手掛けているサン電子工業株式会社。現在、国内では島根県に二か所、山口県に一箇所の製造拠点を構え、ものづくりの現場を支えています。

なぜ大阪の企業が島根県へ進出したのか。進出の経緯やそこから得られた成長、地域との関係性、そして今後の展望について、代表取締役社長の礒垣匡樹氏に伺いました。

2023.11 取材

世界に広がる「SunCon」ブランド、その根幹を担う島根拠点

御社の事業内容について教えてください。

弊社は電子部品であるアルミ電解コンデンサや電源装置(DC-DCコンバータ、AC-DC電源)、OEMアセンブリ高密度実装基板などの開発・製造・販売を手掛けています。なかでも「SunCon」ブランドのアルミ電解コンデンサは、自動車や家電、産業機器など国内外で幅広く採用されています。また、出雲工場では世界初となる「導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサ(※)」の開発にも成功しました。これは自動車のEV化や5G通信、産業機器などの成長市場を支える製品として高く評価されています。
※電解液陰極に導電性高分子電解質を併用することでハイブリッド陰極を形成した業界初のアルミ電解コンデンサ

SunConブランドのアルミ電解コンデンサ
SunConブランドのアルミ電解コンデンサ

コンデンサは電子回路の安定動作に不可欠な部品です。現在ではドイツ、アメリカ、中国をはじめアジア圏で多くの取引をさせていただいており、当社製品が世界の産業や社会インフラを支える一端を担っていると自負しています。

島根県内にある出雲工場と益田工場はどのような位置付けですか?

両拠点ともに設立当初は製造のみを行う予定でしたが、新製品の開発にはスピード感が必須だと判断して出雲工場に設計と開発の機能を加えました。同時に設備の強化も行ったことで、開発、材料調達、製造、出荷までワンストップで対応できる体制が整い、各部門の連携が深まりました。その結果、先ほどお伝えした世界初のコンデンサの開発にも繋がったと思います。

一方、益田工場は製造に特化した拠点として、より効率的で品質の高い生産体制を目指しています。さまざまな取り組みによりコスト面だけでなく品質や納期の安定化にもつながっており、市場での信頼獲得に貢献しています。

出雲工場の内部
出雲工場の内部

成長のカギは行政の手厚い支援と地域性

両工場ともに大きく成長されているとのことですが、島根へ進出された経緯はどのようなものだったのでしょうか。

創業から7年後の1965年に、雲南市掛合町(出雲市より車で南へ30分程度の町)へ工場を設立したのが始まりです。その後、島根県からの誘致もあり、安来市から津和野町まで6カ所に工場を展開しました。現在は機能を集約し、出雲・益田の2工場体制としています。

島根とのご縁をきっかけに始まった工場の操業ですが、地域との関係を大切にしながら歩んできたことが安定した事業基盤につながったと感じています。

進出当時の掛合工場
進出当時の掛合工場
島根県で工場を構えて60年を超えていらっしゃるのですね。
長年にわたり関係を深めてきた御社が感じる「島根県に進出するメリット」とは何でしょうか?

島根は設備投資への助成制度が充実していますし、複数回にわたって活用できる柔軟さが魅力ですね。人材募集においても県や市からの手厚いサポートがあり、採用活動を進めるうえで非常に心強く感じています。

あとは自然災害が少ないという立地面の安心感もありますし、何より島根の人々の誠実で真面目な県民性がものづくりの現場に非常にマッチしていると思います。製造業においては最終的に「人」が品質を決めるため、島根との相性の良さを強く実感しています。

県や市のサポートに感謝を表する礒垣社長
県や市のサポートに感謝を表する礒垣社長
一方で、課題だと感じることはありますか?

やはりアクセス面ですね。出雲には空港がありますが、益田工場のある県西部地域へのアクセスは課題だと感じています。山陽・関西方面から島根に入る幹線道路は整備が進んでいますが、県内の移動、とくに公共交通機関は減便傾向にあり、利便性の確保が今後の課題だと感じています。

弊社は大阪に本社があるため、出張などの移動負担もあります。業務効率を高めるため、柔軟な体制づくりが必要だと思います。

県西部の公共交通網が課題
県西部の公共交通網が課題

地域に根差して人材に選ばれる企業へ

御社が求めている人物像について教えてください。

弊社では学歴や経験以上に人柄を重視しています。明るく素直で、健康的かつ意欲的な方であること。男女問わず、若手の育成を担える次世代のリーダー候補には期待しています。

高校・大学いずれにおいてもさまざまな学校へ求人を出しており、配属予定部門に合ったマッチングを行うよう心がけています。

若手女性社員も現場で活躍中
若手女性社員も現場で活躍中
先ほど島根の人材に対して真面目と仰っていましたが、大阪との違いを感じることはありますか?

大阪出身の私からするとスピード感が異なると感じることはありますが、そのぶん確実に物事を進めてくれるという安心感があります。あとは地元出身の従業員が長く勤めてくれる傾向にあるということも感じますね。

この島根ならではの「どっしりした」気質は、精度が求められる製造現場にとって非常に心強い要素だと思います。出張の際は島根ならではの空気感や人との距離感に癒やされることが多くあり、仕事以外でも大きな魅力だと感じてます。

出雲工場で働く社員の様子
出雲工場で働く社員の様子
少子化や都市部への流出で人材の確保が難しくなっている面もあると思います。
人材の確保や育成にあたって工夫していることはありますか?

地元の認知度向上に向けて、ローカルテレビやラジオでのCM、学校向けイベントへ積極的に参加するなどを行ってきました。その成果もあって「地元にこんな会社があったのか」と関心を持ってくれる学生や保護者が増えてきた印象があります。

また、県や市が主導するキャリア教育への協力を通じて、若年層が地元での就職を前向きに考える環境が整いつつあります。現在は島根県が主体となってこうした取り組みを県西部エリアにも広げています。

このほか益田工場では、島根県の委託先であるシーズ総合政策研究所の支援を受けて、新規採用活動、離職率低減、工場内風土改革などに取り組みました。自社では難しい気付きを多数得られ、改善を進めた結果、着々と成果が出ており感謝の念が絶えません。そういった点でも、サポートいただけるのは心強いですね。

サン電子工業のCMには社長も出演
地元で就職を考える学生にとって、入社後の育成制度や福利厚生も大切だと思います。
御社ではどのような取り組みを行っていますか?

人材育成については弊社内でもまだ模索を繰り返しているところですが、マンツーマン教育をベースにして現場でのOJTを中心に据えています。未経験者であっても半年ほどで一定のスキルを身につけてもらえる教育体制を整えています。

福利厚生については従業員の心身の健康が良い製品づくりにつながると考えているため、かなり力を入れています。

野菜ジュースの支給、予防接種・人間ドックの費用補助、家賃補助、誕生日休暇、育児・産休制度、一斉有給休暇、コロナワクチン接種時の特別休暇などを整備し、安心して働ける職場づくりを進めています。

これらの積極的な取り組みが評価されて、健康経営優良法人(大規模部門)に4年連続で認定されました。

社員へ支給される野菜ジュース
社員へ支給される野菜ジュース
地域との繋がりはどのようなことを行っていますか?

地域清掃のほか、出雲工場には公式サッカー場を併設し、県サッカー協会への無償貸出やスポーツ少年団の大会開催などを通じて、地域の子どもたちを支援しています。なかにはサッカー場を使っていた子供が成長して弊社に就職してくれるということもありました。そういうご縁にも繋がっていて、大変嬉しく思います。

また、企業版ふるさと納税制度を活用して島根県や益田市へ複数回の寄付を行い、地域のサイクリング施設整備や伝統文化である神楽の発展などに活用いただいています。

本格的サッカー場としてプロチームも利用
本格的サッカー場としてプロチームも利用

コンデンサ業界をリードする“島根発”の技術と挑戦

今後の事業展開についてお聞かせください。

世界的にガソリン車の廃止やEV化が進むなかで電子制御の需要はますます高まり、弊社が生産する製品の需要や高性能・高信頼性を求める声は大きくなっていくものと考えています。

「島根から世界へ」というスローガンのもと、各工場の特徴を活かしスピードをもって、さらなる新商品開発・事業展開を進めていきます。コンデンサ業界の一歩先を牽引する企業として、必要とされ続ける存在感のある企業を目指していきたいと思います。

EV化によりコンデンサの需要が拡大
EV化によりコンデンサの需要が拡大
最後に、島根県民や事業者の皆さまへメッセージをお願いします。

誘致企業としてこれまで事業を継続できたのは、島根県や出雲市、益田市の行政の皆さま、地域の皆さま、そして従業員とそのご家族皆さまの支えがあってこそです。心より感謝申し上げます。

今後もご支援を賜りながら、恩返しの気持ちで地元採用の促進や地域貢献に協力させていただき、皆さまとともにより良い地域、より良い社会を目指して島根の発展とともに歩んでいきたいと考えております。

地元採用を第一に進めている
地元採用を第一に進めている

企業情報とお問い合わせ先

企業名
サン電子工業株式会社
-出雲工場-
所在地
〒693-0043 島根県出雲市長浜町337-1
(出雲長浜中核工業団地内)
連絡先
TEL:0853-28-0971
FAX:0853-28-0978
-益田工場-
所在地
〒698-2144 島根県益田市虫追町口320-54
(石見臨空ファクトリーパーク内)
連絡先
TEL:0856-28-8080
FAX:0856-28-8086
-本社-
所在地
〒575-8585 大阪府四條畷市岡山東1-1-18
URL

https://www.sunelec.co.jp/jp/

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お問い合わせ

島根県企業立地課
0852-22-5295

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