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株式会社ネスター

代表取締役社長 加藤令 氏
代表取締役社長
加藤 令

世界品質の厨房機器を生み出す株式会社ネスター、島根への本社集約が生んだ生産革新

業務用フードサービス機器で国内トップクラスのシェアを誇るホシザキグループ。その国内製造において重要な役割を担っているのが、島根県雲南市に拠点を置く株式会社ネスターです。

2023年に創業の地である愛知県から本社機能・工場を島根県に完全移転。移転にあわせて製造ラインの抜本的な見直しと設備刷新を行ったことで生産性は大きく向上。現在ではホシザキグループの国内製造品の約7割を製造しています。その成功の背景には、立地環境、行政支援、人材基盤などの複数の要素があり、代表取締役社長の加藤令氏に移転の経緯や事業展開、人材育成、地域貢献への取り組みなどについて、詳しくお話を伺いました。

2025.2 取材

雲南市への製造拠点集約で実現した生産性の抜本的改善

御社の事業内容とホシザキグループにおける役割について教えてください。

当社は国内20社、海外40社を展開するホシザキグループの国内製造を担う4社のうちの1社です。
主にショーケース、ネタケース、再加熱キャビネット、冷水チラーなどのフードサービス機器を製造しており、近年では飲食業の他に、病院や介護施設、社員食堂といった給食施設、ホテルなどの宿泊施設、食品加工工場向け設備の製造も強化しています。

以前は弊社独自で商品開発や営業も行っていましたが、現在はグループ全体の効率性と競争力をさらに高めるため、営業機能をホシザキ販売株式会社へ集約し、弊社は「製造拠点」としての役割に特化しています。現在、ホシザキグループの国内製造品の約7割がこの島根地区で生産されており、弊社はその中核を担う重要な役割を担っています。

国内の製造の要として重要な役割を担う
国内の製造の要として重要な役割を担う
雲南市へ進出・移転をした経緯について教えてください。

ホシザキグループの創業者である坂本薫俊が島根県の出身であることから、1970年にホシザキ株式会社は島根県に工場を新設し、その後5つの工場を有する島根製造拠点へと拡大していきました。グループ会社である当社も1992年に島根工場を開設しホシザキグループの重要な製造子会社として活動を行っていました。

愛知県にあった本社工場を島根県へ移転・集約したきっかけは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大です。外食需要が大きく落ち込んだことで売上も減少し、事業環境は大変厳しいものとなりました。こうした状況を受けて生産性の抜本的な改善を図る必要があると判断し、島根へ移転・集約いたしました。

具体的には既存の島根工場敷地内に新工場および新事務棟を建設し愛知県の本社工場は閉鎖。新工場では生産性向上を目的として製造ラインを一から見直し、既存の第一工場および第二工場についても全面的な改修を行って三つの工場全体で生産性を最大限に引き上げることができました。

生産性向上のため製造ラインを一から見直した新工場
生産性向上のため製造ラインを一から見直した新工場

行政によるきめ細やかな支援と立地環境が支える安定操業

雲南市へ移転して良かった点をお聞かせください。

まず挙げられるのが生産性の改善が進んだことです。愛知県にあった本社工場を島根県に移設する際、製造ラインを一から見直し、既存の第一工場、第二工場も全面的に改修したことで、3つの工場で生産性を最大限に引き上げることができました。目標として掲げていた売上50億円も視野に入っており、2022年頃と比較すると約1.5倍の売上高となっており、結果が数字として表れています。

これらは拠点を集約したことによる効果ですが、その他にも、地震が少なくBCP(事業継続計画)に有利、幹線道路が近いといった、ここ島根県雲南市の地理的条件も、経営上のメリットとして大きいと考えています。

また、行政の支援も手厚く、本社移転の際には愛知県から転居する社員に対して生活面のサポートまでしていただきました。工場の移転には多くの人員の異動も伴いますので、このようなきめ細かい支援は非常にありがたく感じています。

「行政の手厚い支援に感謝」と語る加藤社長
「行政の手厚い支援に感謝」と語る加藤社長
デメリットに感じられたことはありますか?

一定の物流コストが発生することでしょうか。当社のような製造メーカーは、外注加工業者へ部品を発注する必要がありますが、現状では近隣に対応可能な企業が限られています。そのため加工が難しい部品については本社移転前と同様に愛知県から取り寄せており、物流コストがかさんでいます。
幸い、近くに日本通運株式会社様とホシザキグループが共同で運営する「ホシザキNX倉庫」という物流拠点があるため、このルートを活用することでコスト削減を進めているところです。

将来的には島根県内の企業へ発注できる体制を構築したいと考えています。県内企業との取引が拡大することで地域全体の技術力向上にもつながり、取引拡大を通じて双方の収益増加につながる好循環を生み出すことが、私たちの理想とする姿です。

地元企業との連携で物流コスト削減と地域活性化につなげたい
地元企業との連携で物流コスト削減と
地域活性化につなげたい

製造現場を支える島根の真面目な人材が安心して長く働けるように

島根での採用活動の状況や、求めている人物像についてお聞かせください。

当社では学歴や経歴よりも、「責任感を持って業務に取り組める」「積極的に業務改善を推進できる」「長期的なキャリア形成を目指せる」といった、将来性のある素養を持った人材を求めています。

現在、製造部門の人材確保は比較的順調ですが、経理・人事などのバックオフィス部門や生産技術部門における専門人材の確保が課題となっています。この課題解決に向けて、行政の支援を通じたUIターン採用や学生の県内就職促進に期待を寄せています。

多様な人材獲得のため、当社ではアスリート採用をはじめとする様々な採用施策を積極的に展開しており、こうした取り組みは島根県知事より感謝状を授与されるなど高い評価をいただいております。今後も引き続き、多様な人材の採用・育成に力を入れていく方針です。

作業が丁寧で真面目な人が多いため、製造業との親和性は高いと感じています。この自然豊かな環境で育まれたものだと思いますが、やや積極性に欠ける側面もあるように感じます。当社は挑戦意欲のある社員を応援する社風ですので、積極的にチャレンジできる人材が増えることを期待しています。

成長意欲のある人材を積極的に採用中
成長意欲のある人材を積極的に採用中
人材育成に関する考え方や取り組みについてお聞かせください。

新入社員教育から階層別教育まで、社内外の研修制度を充実させております。とくに、ホシザキグループの高水準な研修プログラムを受講できることは大きな強みです。

現場ではOJTによる実践的な指導を行っており、資格取得支援制度も手厚く整備しております。こうした取り組みの成果として、ホシザキグループ全体で開催される溶接コンテストにおいて、当社社員が2年連続でTOP3に入るなど、技術力の高さを証明しています。

このほか入社後のミスマッチを防ぐため、面接時には工場見学の機会を設けて実際の職場環境を確認していただいています。また、島根県で開催されたホシザキグループの合同入社式に当社の新入社員が参加することで、グループ全体の規模感やグループ内での当社の役割を理解して、入社後の仕事に活かしてもらえるようにしています。

全国から185人が集まったホシザキグループの合同入社式
全国から185人が集まった
ホシザキグループの合同入社式
福利厚生などへの取り組みの内容や考え方についてお聞かせください

ホシザキグループでは早くからES(従業員満足度)活動に取り組んできた背景があり、当社も積極的に働きやすく透明性のある環境づくりを進めています。ES活動の委員会にはさまざまな職場の若手社員も参加しており、多様な視点を取り入れながら、より良い職場環境の実現に向けた取り組みを行っています。

福利厚生の特徴的な取り組みとしては、年2回の健康診断の実施や、福利厚生サービスを提供するクラブへの加入などを整備しています。メンタルヘルスケアについても、状況に応じて利用できる複数の相談窓口を設けるなど、従業員が心身ともに健康に働ける環境づくりに特に力を入れています。

また、育児休業取得率は2年連続で100%を達成しており、昨年は6名の男性社員が育児休業を取得しました。男女を問わず安心して長く働ける職場環境を整えることで、継続的に活躍できる基盤づくりを進めています。

2年連続 育児休業取得率100%の働きやすい環境
2年連続 育児休業取得率100%の働きやすい環境

地域の成長と自社の発展が好循環を生み出す関係を築く

地域貢献活動などは行なっておられますか?

当社では、経常利益の1%を地元自治体およびNPO法人等へ拠出し、地域社会の発展に役立てていただいております。

また、環境保全活動の一環として、宍道湖のヨシ刈りや清掃活動、エコキャップ回収などに継続的に参加しています。

キャリア教育支援にも力を入れており、中高生や障がいのある方々の職場体験学習を受け入れています。実際の職場を体験していただくことで、その後の採用につながるケースも少なくありません。

その他にも、スポーツ振興に力を入れており、障がいのある方々にスポーツ競技会やトレーニングの機会を提供する国際的なスポーツ組織である“スペシャルオリンピックス”への支援なども行っています。

業務改善と設備投資で、更なる飛躍を

今後の展望や他の事業者へメッセージなどあればお聞かせください。

現在、自動化や生産性向上に向けた投資は不可欠なものとなっており、人海戦術だけでは対応が難しい状況です。今後は、一人当たりの売上や利益の向上を実現し、さらなる飛躍につなげていきたいと考えております。

売上については2023年度比で1.5倍を目指しており、その実現に向けて2024年度には数億円規模の設備投資を実施しました。2025年度も引き続き数億円の投資を予定しており、生産性の一層の向上を図ります。

島根県からの手厚いご支援により、雲南市への移転および工場集約を円滑に進めることができました。その結果、効率化が進み、業績向上という成果につながっています。今後も事業発展を目指していきますので、引き続きご支援いただければ幸いです。

さらなる設備投資で飛躍を目指す
さらなる設備投資で飛躍を目指す

企業情報とお問い合わせ先

企業名
株式会社ネスター
所在地
〒699-1104 島根県雲南市加茂町南加茂703-10
連絡先
TEL:0854-47-7977
FAX:0854-49-8016
URL

https://www.nestor.jp/

Contact

お問い合わせ

島根県企業立地課
0852-22-5295

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