しまスタブログ

シネマなしまね・その2

2012年12月26日

見所の多い島根県、県内を舞台にした映画はまだあります。

2007年夏に公開された『天然コケッコー』は、漫画家くらもちふさこの作品を実写映画化したものです。
http://tenkoke.com/
世界遺産「石見銀山遺跡」のある大田市から島根県の西半分が、石見(いわみ)地方(旧・石見国)です。石見地方のキャッチフレーズは「なつかしの国 石見」。『ALWAYS三丁目の夕日』では大都会の懐かしい風景が描かれていますが、同じ頃に日本中にあった、大○崑のオロ○ミンCの看板がぶら下がった何でも屋の商店が集落に1軒だけあるような昭和の風景が広がっている、それが石見地方にある懐かしさです。
http://www.all-iwami.com/
映画の舞台は、くらもちふさこの母方の出身地である、石見地方の真ん中にある浜田市周辺がモデルになっています。

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山と田んぼが広がる架空の町、木村町。方言丸出しの中学2年生、主人公・右田そよの通う小中学生あわせても全校生徒たった6人の分校。そこにある日、東京からかっこいい大沢広海が転校してきます。初めてできた同級生との、楽しく過ごす毎日に、期待に胸膨らませる、そよ。一方、面倒見のいいそよとは正反対で、ちょっと意地悪でとっつきづらい大沢。やがて、そよはそんな大沢が気になりだして・・。片田舎の中学生の淡い初恋を軸に、物語はすすみます。

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ロケ地は石見地方一円に点在していますが、私のおすすめのシーンを3つ。

①「線路をわたって海水浴にいく」
私の子どもの頃、夏休みの海水浴はまさにこのような感じ。日本海に沿ってJR山陰本線がはしっていて、線路をこえた先の海端は、小さな砂浜や岩場ばかりです。わざわざ混んでいる海水浴場にいったりはせず、そんなところで泳いだり潜ったりします。
②「木村小学校・中学校」
学校の屋根には、朱い瓦がのっています。石見地方は、日本の3大瓦産地の一つ。近頃は色のバリエーションもふえましたが、映画の登場人物の家は、ほぼこの色。石見地方の心和む懐かしの風景は、山や田んぼに映える石州瓦の朱みがアクセントです。
③「村の神社の夜神楽」
「石見神楽(いわみかぐら)」は、石見人のDNAレベルで伝承されている芸能です。演目の題材は古事記などに求められ、取りわけヤマタノオロチは大迫力。子ども達も、村の神社のお祭で夜神楽を見物するときだけは、夜更かしが許されます。

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DVDを視て島根でロケ地探訪、いかがですか?この映画のなかの「森高等学校」は、私の母校です。エンディングでそよが着ている母校のセーラー服の春・夏服は、ちょっとレトロで目にとまるデザインです。

(マロンハウス)

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