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秘境?枕木山華蔵寺に行ってきました

2014年8月4日

7月の最終土曜日は松江市でも最高気温35度を超える猛暑になりましたが、島根半島北山山系の枕木山(まくらぎさん)に出かけてきました。海抜456メートルの枕木山からは眼下に日本海、弓ヶ浜半島、大山、中海に浮かぶ大根島などの雄大なパノラマが広がり、山陰屈指の絶景と評価する声も。元日に初日の出を迎えるポイントとしてもお勧めです。
実は枕木山を訪れたのは二十数年ぶり。以前は民放TV局の電波塔敷地が一般開放されパノラマを見ることができましたが今はクローズされている様子。そこで、山頂近くの華蔵寺に地元市民として恥ずかしながら初めて参拝しました。

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華蔵寺と表札が立て掛けられたお堂の脇に駐車し、奥にある階段を上りきると、少し離れたところに仁王門が見えてきます。門の左右の木格子の奥にはそれぞれ木製の仁王像が安置されていました。(後でググったところ有名な「運慶」の作とのこと)

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そこからさらに山道を進むのですが、お寺の本堂は影も形もなく、私と妻以外には人影もなし。森が深まるにつれて心なしか空気も冷たくなってきた頃、左の山肌に巨大な石仏が現れ、こちらを睥睨しています。

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まさに「秘境」。ふと、アニメ「千と千尋の神隠し」で千尋親子が迷い込んだ異空間(霊界?)を思い出しました。木漏れ日の差さない日なら男でも一人で参拝するのは心細いかもしれません。
石仏の視線を背に感じながら更に山道を登ると、城郭を思わせる壮麗な石垣が現れました。この石垣の上が華蔵寺の境内らしく、階段を上ると瀟洒な本堂を始め、薬師堂など多くの建物群がようやく姿を見せます。

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ここまでの「ひなびた山寺」→「秘境」のイメージから一転→「こんな壮大な寺院がなぜここに???」。
境内の「華蔵寺由緒」を読むと、桓武天皇の御代延暦22年(808年)に天台宗智元上人が開基。5百有余年後、亀山法皇は、病いが華蔵寺の御祈念、霊水、秘薬で平癒したことから深く帰依。帝が開基した禅宗の南禅寺派の寺に改めさせ以来皇室の保護下で華蔵寺は興隆を極めた。戦国時代には尼子、毛利の戦火で伽藍什宝が悉く消失。松江城を築いた堀尾吉晴公、代々の松江藩主が造営再興に努め、徳川治政の松平直政公(初代藩主)に至り現在の堂群や伽藍の復興が成った、とあります。

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境内に展望台がありました、当日は水蒸気が多めで、霊峰大山は雲に隠れていましたが、目当てのパノラマも楽しむことができました。

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入り口のお堂から境内までの距離は500メートルほど、帰りは下りで楽にたどり着きました。参道の山道は草刈りや樹木の剪定が行き届いていて軽装でOKですが、すべらないスニーカーなどを履いていく方がいいですよ。

由緒と歴史ある霊山、禅寺で雄大なパノラマも楽しめる華蔵寺に行ってみてください。(Y)

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