立地企業インタビュー

立地企業インタビュー

有限会社江木蒲鉾店

専務取締役 江木功平氏専務取締役 江木功平氏

浜田市で明治45年に創業し、地域の食文化を支え続けてきた老舗練り物メーカー有限会社江木蒲鉾店。戦後に誕生し、いまや“島根県民のソウルフード”として広く知られる「赤天」を主力商品に、県内外へ販路を広げています。
2024年11月には新工場へ移転。生産能力の向上と衛生管理体制の強化を実現し、これまで控えてきた積極的な販路拡大へと舵を切りました。SNSやYouTubeを活用した情報発信、新商品の開発、県外スーパーとの商談など、新しい挑戦が加速しています。
今回は、専務取締役の江木功平氏に事業の歩みや新たな取り組み、そして今後の展望についてお話を伺いました。

1. 御社の事業内容についてお聞かせください。

戦後から約80年続く「赤天」を主力に事業を展開

赤天をはじめとした、全国にも根強いファンを持つ主力商品赤天をはじめとした、全国にも根強いファンを持つ主力商品

当社は明治45年創業の魚肉練り製品製造業で、現在は「赤天」を主力商品として展開しています。赤天は戦後に生まれ、約80年の歴史を持つ商品です。
島根県全域のお土産店やスーパーで販売しており、県外のアンテナショップでも「島根県の人気商品」として取り扱っていただくことが増えています。
赤天という名称が広まったきっかけは、昭和末期の全国放送番組でした。それまで「フライ天」「ピリ辛天」と呼ばれていた商品が、“赤天”として紹介されたことで名称が定着。現在では島根を代表する練り物として広く知られています。

2. 島根県の立地環境の魅力等についてお聞かせください。

歴史と文化が息づく土地の可能性

この場所だから伸ばせる可能性を信じて、島根から全国へこの場所だから伸ばせる可能性を信じて、島根から全国へ

島根県は、出雲大社をはじめとする歴史的背景を持つ土地です。近年は“何もない田舎”ではなく、“ここにしかない価値がある地域”として注目されていると感じています。
浜田市は漁業の町として栄え、かつては練り物業者が数十社ありましたが、現在は2社まで減少しています。一方で、インターネットやIT技術の発展により地域間格差は少なくなり、島根県の知られざる良さを全国へ伝播しやすい時代になっています。島根県だからこそ事業を伸ばしていくポテンシャルがあると考えています。

3. 島根県で感じているお困りごと、課題はありますか。

競争の少なさと人口減少の壁

ECサイトを活用し、販路拡大を狙うECサイトを活用し、販路拡大を狙う
https://egi-kamaboko.stores.jp/

競争が比較的少ない環境は、企業が存続しやすいという利点もありますが、その一方で、商品やサービスが十分に磨かれにくいという側面もあり、良いことばかりとは言えません。
また、人口減少が進んでいることを考えると、県外に販路を拡大する必要がありますが、新規顧客を獲得するには、様々な課題や大きな壁があります。県内基準で考えるのではなく、全国基準で通用する商品づくりや売り方が必要です。当社では、お客様に更なるご満足とご安心を提供できるよう、合成着色料から天然着色料に変更したり、YouTube等でのおいしい食べ方の発信、商品のパッケージやホームページの見せ方まで、日々改善を続けています。

4. 採用にあたって求める人物像についてお聞かせください。

理念への共感と、ものづくりに誠実に向き合う姿勢

スキルよりも人柄重視の採用で、信頼される商品をつくり、笑顔を届けるスキルよりも人柄重視の採用で、信頼される商品をつくり、
笑顔を届ける

企業理念の「信頼される商品をつくり、笑顔を届ける」をはじめ、弊社の理念・ビジョンに共感いただける方に来ていただけたらと思っています。
また、特別なスキルよりも、「人との関係を大切にできる」「誠実である」といった人柄も重視しています。新工場への移転により作業負荷は軽減されましたが、その分、より高い衛生基準を守る責任も増しました。だからこそ、食べてくださる方の笑顔を想像しながら、仲間と真面目に取り組める方を求めています。

5. 人材育成に関する考え方や取組についてお聞かせください。

「五方良し」を軸に、変化を前提とした組織づくり

社員の想いと工夫が詰まった特設売り場社員の想いと工夫が詰まった特設売り場

当社は「人を大切にする経営学会」が提唱する“五方良し”の考え方に共感しています。第一に社員とその家族を大切にするという姿勢です。
面接の段階から、会社はこれから変わっていくこと、同じ仕事を続けるだけではない可能性があることを伝えています。赤天を全国へ届けるという目標に向かって、ともに成長できる環境づくりを進めています。

6. 福利厚生などへの取組についてお聞かせください。

予防医療の導入と、いきいき働ける職場づくり

予防医療に力を入れ、社員の健康と安心して働ける環境を守る予防医療に力を入れ、社員の健康と安心して働ける環境を守る

浜田市の助成金を活用し、予防医療としてメディカルチェックを実施しています。業務による身体への負担を分析し、体調が悪くなる前に改善する取り組みで、社員に健康で長く勤めてもらえたら…という想いで取り入れています。
将来的には健康をテーマにした社内コミュニティづくりも検討しています。まだ十分とは言えませんが、社員がいきいきと働ける職場環境を目指し、できることから改善を重ねています。

7. 地域貢献活動についてお聞かせください。

工場見学やイベント参加で地域とつながる

試食販売等にも積極的に参加し、新たなファンを開拓する試食販売等にも積極的に参加し、新たなファンを開拓する

新工場移転後は、生産能力が向上したことでこれまで控えていたイベントでの屋台出店や試食販売へ積極的に参加しています。
浜田市内の小学校からの工場見学も受け入れ、できたての赤天を試食してもらっています。子どもたちの記憶に残る体験を提供することが、将来のファンづくりにつながると考えています。

8. 今後の事業展開、展望についてお聞かせください。

新商品の開発に加え、全国展開と情報発信の強化で販路拡大を狙う

YouTube等による情報発信力の強化で、顧客との接点を増やす
https://www.youtube.com/@egi-kamaboko/videos

昨年は売上が約5倍に伸長しました。現在は県外スーパーとの商談のほか、ECサイトの強化を進めており、7,000円以上送料無料サービスや食べ比べセットの販売など、購入のハードルを下げる工夫を行っています。
その他にも、SNSやYouTubeでおいしい食べ方やアレンジレシピを発信し、「まず、一度食べてもらう」機会を増やしています。島根県外にも赤天の魅力を届け、島根の象徴として全国へ広げていきたいですね。

また、新工場稼働後、赤天のラインナップを強化しました。現在は「やさしい」「通常」「辛い」「大辛」と、複数のバリエーションを展開しています。これは、試食販売の現場で「辛くて食べられない」という声や、子ども向けの商品を求める声を受けて“やさしい赤天”を開発したのがきっかけです。学校給食にも提供され、全員が完食できる辛さに調整しています。
一度食べてもらえれば魅力が伝わる商品だからこそ、親しみやすい入口づくりを大切にしています。

9. 島根県民や他の事業者へメッセージをお願いします。

島根発でも、全国に挑戦できる

赤天を通じて島根の魅力を全国へ赤天を通じて島根の魅力を全国へ

島根県は田舎というイメージを持たれがちですが、多くの企業が本気で島根を盛り上げようと努力しており、当社もその一員として挑戦を続けています。
赤天を通じて島根の魅力を全国へ発信していきますので、今後の取り組みに、ぜひご注目ください。

会社の基本情報およびお問い合わせ先

有限会社江木蒲鉾店

会社名:
有限会社江木蒲鉾店
本社:
島根県浜田市下府町327番地92
直売所:
島根県浜田市朝日町1426番地4
連絡先:
TEL:0855-25-6161
FAX:0855-23-1538
URL:
https://egi-kamaboko.jp/

(2026年2月取材)

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